8月末よりNetflixで世界190カ国にジブリ作品が配信され、
第二次世界大戦をテーマにした名作「火垂るの墓」も「Grave of the Fireflies」として配信されました。
「火垂るの墓」は日本人からすると心が痛み、二度と戦争が起こってほしくないと思わされる悲しい名作ですよね。
「火垂るの墓」は海外の人から見るとどの様に捉えられたのでしょうか?
「火垂るの墓」を見た海外、特にアメリカ人の反応をまとめてご紹介します。
火垂るの墓のあらすじ
「火垂るの墓」の原作は野坂昭如氏による短編小説で、
スタジオジブリによって1988年にアニメ映画化されました。
物語の舞台は1945年の神戸。
第二次世界大戦中の日本で生きる兄妹の悲劇的な物語です。
戦争が激化する中、14歳の兄・清太(せいた)と4歳の妹・節子(せつこ)は
アメリカ軍の空襲によって母を亡くします。
父親は海軍に出兵していて、兄妹は孤立してしまいます。
最初は親戚の家に身を寄せますが、次第に冷遇されるようになり
2人はその家を出て、防空壕で自給自足の生活を始めます。
しかし戦争の混乱によって食料は極端に不足し、
清太は妹を養うために奔走しますが、状況は悪化する一方。
節子は栄養失調に苦しみ、
清太は必死に助けようとしますがついに節子は力尽きてしまいます。
節子を失った清太も、まもなく命を落とします。
これは作者の野坂昭如氏の実体験を元に描かれています。
野坂昭如氏は最後餓死する寸前に戦争浮浪児として保護されたそうです。
何の罪もない子供2人が犠牲になる、涙なしには見られない映画だよね
日本では不朽の名作として広く知られており、
現代でも戦争の残酷さを理解するための教育的資料としても見られ続けています。
火垂るの墓の海外の評価:映画評価サイトで高評価続出
ジブリ作品は元々海外でも人気がありました。
「火垂るの墓」は戦争がテーマということもあり、この作品を知らなかった人や避けていた人も多かったようです。
近年世界で戦争が起きていることも影響しているのか、
Netflixでの190カ国での配信スタートを期に、
「このご時世だし、せっかくだし見てみるか」
という軽いノリで見る人が多いのだとか。
その結果、多くの国で「火垂るの墓」がNetflixの急上昇ランキング入り。
海外の映画評論サイト「IMBD」でも異例の高評価を得ていて、
「人生で必ず見るべき映画トップ50」に選ばれました。
これは戦争映画としてはかなり珍しいことです。
辛口映画評価サイト「Rottentomatos」でも評論家スコアが100%、一般評価が95%に達成するまさに異例中の異例です。
火垂るの墓を見た海外の反応:号泣者続出でトラウマレベル
「火垂るの墓」を見た外国人、特にアメリカ人の反応は、第二次世界大戦や日本に対する否定的なコメント多いのでは?
と想像していました。
しかし実際にはそんなことはありませんでした。
海外の多くの人が「火垂るの墓」を見て涙を流し、思い思いのコメントを残しています。
「この映画はたった1時間29分だけど、一生心に傷を残す」
「泣ける。悲しすぎる。今のガザと重なる」
「ストーリー、象徴的な意味、アニメーション全てが一体となって、
まるで腹に強い一撃を喰らったかのような衝撃を感じる作品。
そのショックから立ち直ることは難しい」
「あなたに立ち直れないほど落ち込んでも構わない夜があるなら、
ぜひ火垂るの墓を見てほしい。
喜んで見たがるタイプの作品ではないけど、決して見たことを公開する作品ではない」
とても素晴らしい映画だけどトラウマになりそう。
2度は見れない。
日本人と違うのは、当時のことに触れるというよりは、
現在のことと重ねてコメントする人が多かったことくらいです。
また、「火垂るの墓」に対するアメリカ人ならではの一際心に残ったコメントを紹介します。
「火垂るの墓」で興味深いのは、日本の映画であるにもかかわらず、
日本人を「犠牲者」として扱うこともなければ、
アメリカ人を悪者扱いすることもないというところだ。
むしろ苦しんでいる子供たちを冷たくあしらう日本の人々に対しての軽蔑が感じられる。
作者は、戦争で真に失われるものは命ではなく、汚れなき魂だと訴えているのだ。
まさにその通りだと感じました。
誰が悪者で誰が犠牲者なのかに心を動かされたのではないんですよね。
罪もない汚れなき2人の兄妹の魂が失われたことが心を動かしていたんだと改めて気づきました。
また、見た人への衝撃が強すぎるため
「米軍では火垂るの墓を視聴することが禁止されている」
という噂がネット上であったようですが、確かな情報ではありませんでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はNetflixで190カ国に配信が開始されたジブリの名作「火垂るの墓」を見た海外の反応をお伝えしました。
第二次世界大戦に関しては「日本人は悪者」とアメリカでは認識されているものと思っていましたが、
そんな反応はなく、日本人と同じ様に見た人に強い衝撃とショック、トラウマを与えながらも最高の評価を得る作品となりました。
公開されてから30年以上経つ作品がここまで評価されるのも異例です。
それだけ素晴らしくも悲しい作品だと世界に伝わったということでしょう。
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