ロシア発のメッセージアプリ「テレグラム」の創始者でロシア人のパベル・ドゥーロフがフランスで逮捕されました。
逮捕の理由やテレグラムの危険性、犯罪に使われていた理由などを調べました。
テレグラムとは?使い方やLINEとの違いは?
テレグラムは日本ではあまり馴染みがないメッセージアプリですよね。
テレグラムの概要は以下の通りです。
テレグラム(Telegram)は、ロシア生まれのメッセージングアプリ。
現在の本社はドバイにあります。
ユーザー間のテキストメッセージや音声・ビデオ通話、画像やファイルの送信などが可能。
2013年にパーヴェル・ドゥーロフよって開発され、
特に個人情報の開示は電話番号のみでOKというプライバシーと
セキュリティに重点を置いています。
基本無料でありながら、高速通信なのも魅力の1つです。
公式HPによれば、2024年には月間アクティブユーザー10億人1を突破し、
アプリダウンロード数は世界で5番目とされています。
日本で馴染みのあるLINEとよく似ていますね!
LINEでできる「チャット」、「グループチャット」、「通話」の他に
テレグラムにはLINEにはない機能が5つあります。
テレグラムの機能①:シークレットチャット
テレグラムの「シークレットチャット」機能では、暗号化によってメッセージは送信者と受信者の間でのみ解読可能です。
通常のチャットはサーバーに保存されますが、シークレットチャットは保存されません。
決められた時間が経過すると自動でメッセージが削除されるようあらかじめ設定することもできます。
またトーク画面はスクリーンショットができなくなっています。
iPhone はスクショ可能ですが、スクショしたことが相手に通知されます。
テレグラムの機能②:クラウドベース
メッセージ、画像、動画などのデータはクラウドに保存され、複数のデバイスからアクセス可能です。
テレグラムの機能③:大容量ファイルの共有
最大2GBまでのファイルを共有できるため、写真や動画のやり取りが簡単です。
テレグラムの機能④:チャンネルとグループ
20万人もの多人数が参加できるグループチャットや、
フォロワーに一方向で情報を発信できる「チャンネル」という機能があります。
テレグラムの機能⑤:ボットとカスタム機能
シンプルで安全なコミュニケーション手段を提供するだけでなく、多機能なプラットフォームとしても評価されています。
テレグラムの危険性
テレグラムによる通信は高度な匿名性と機密性が保てる一方、
この特徴を利用した犯罪者やテロリストにも活用される通信手段になっています。
日本国内では「ルフィ」など闇バイトの連絡手段としてテレグラムが使われたことがニュースになり、
危険なメッセージアプリというイメージが定着しつつあります。
確かに多くのフィッシング詐欺も横行していて、不慣れな人には危険なアプリと言えるでしょう。
X(Twitter)などのSNSでは、短時間で高収入が得られるという「闇バイト」の募集がされています。
闇バイトにひかれて投稿者に連絡すると、ほぼテレグラムへ誘導されるようです。
証拠を残したくない人は必ずテレグラムを利用するので、
テレグラムへの誘導をされたら闇バイトや詐欺であることを疑う方が賢明でしょう。
テレグラム開発者パベル・ドゥーロフのWikiプロフィール
レグラム開発者パベル・ドゥーロフのプロフィールは以下の通りです。
パベル・ドゥーロフ(Па́вел Вале́рьевич Ду́ров)
生年月日:1984年10月10日(39歳)
出身:ロシア
大学:サンクトペテルブルク大学(ロシア)
職業:テレグラム社CEO
総資産:17億ドル(2,482億円)
パベル・ドゥーロフの経歴と逮捕まで
パーヴェル・ドゥーロフは、ロシアで「VK」というテレグラムの前身となるSNSを開発し、
自由なインターネットを目指していました。
しかしこれがロシア政府との間で衝突する原因となりました。
2011〜2012年に、ロシアの反政府デモに関する情報がVKで拡散され、政府はこの情報の検閲を求めましたが、ドゥーロフはこれを拒否しました。
この対応によりロシア政府からの圧力が増し、2014年にドゥーロフはVKのCEOを辞任せざるを得なくなりました。
その後はロシアを離れテレグラムを開発し、ドイツに移住しました。
テレグラムは、プライバシー保護に優れているため、一部の国では犯罪活動やテロ活動の連絡手段として悪用されていました。
いくつかの国でテレグラム自体が規制されたり、禁止されたりしました。
2024年8月24日ドゥーロフはフランスの空港で逮捕されました。
テレグラムが麻薬の密売や詐欺など犯罪の連絡手段になっているにもかかわらず、管理を怠り黙認した疑いがもたれていたようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は8月24日に逮捕されたテレグラム創始者のパーヴェル・ドゥーロフについて調査しました。
テレグラムは匿名性や高速性などのメリットがある一方で
メリットを悪用した犯罪に使われやすいというデメリットも持ち合わせていました。
パーヴェル・ドゥーロフが目指していたのはあくまでも
「自由なインターネット」ですが、
自由を追求する一方で安全性が担保されなかったため危険視されていました。
どちらも両立できるアプリは開発できなかったのでしょうか?
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